「『西鶴一代女』(52溝口健二)のラスト近く、今や売春婦に落ちぶれたお春(田中絹代)が、若君となった我が子を延々と見送るショットは女の執念と哀しみに溢れていて、凄まじくも美しい。江戸時代の娼婦という表面的なものはとっくに通り抜けて、普遍的な女そのものになっている」(増村保造)